好きな仕事を、好きな土地で。静岡県でハンドルを握る若手運転士の素顔
静岡県沼津市、内浦湾を横目に颯爽と走る東海バス。その運転席に座るのは、20代の若手運転士・倉澤 桜黄樹(くらさわ おおじゅ)さんです。彼の働き方と暮らしには、“自分らしいキャリア”のヒントが詰まっていました。
アニメが導いた静岡移住──神奈川県出身の青年が静岡県に移住するまで
神奈川県出身、関東の高校を卒業し、神奈川県のバス会社に就職した倉澤さん。バスや鉄道が好きで、運転に関わる仕事に就きたいと思っていた幼いころからの夢に一歩近づき、運転士を目指しながら、高速バスで乗客の荷物の出し入れを行う“ポーター”の仕事をしていました。
働く中で「早めにバスの運転をしてみたい」と感じ、次第に今後のキャリアについて考えるようになった倉澤さん。そんな思いを後押しし、静岡県に移住するきっかけとなったのは、沼津市が舞台のアニメでした。
「高校在学中から沼津には年に3~4回ほど訪れていました。その時にはアニメに登場する景色やお店に行ったり、イベントやライブなどで訪れることもありました。その度に生まれるファン同士の交流も楽しみの1つでした」
学生時代から訪れていた街は、観光地であると同時に、好きなものや人との交流が溢れる特別な場所。それに加え、倉澤さんはアニメをきっかけに東海バスを知りました。
「聖地を運転してみたい。アニメがラッピングされたバスを運転してみたいと思い、採用試験を受けた結果、内定をいただくことができました」
自然と人のあたたかさに包まれて──静岡県で広がった暮らしの豊かさ
静岡県に移住してからというもの、「時間の流れがゆっくりになった」と語る倉澤さん。
移住後は、地域に根ざした日常が待っていました。スーパーには新鮮な海産物や地元で採れた果物が並び、食卓が彩られたといいます。また休日には伊豆半島をドライブしたり、修善寺温泉でリフレッシュしたり。富士山の景色を見ながら朝を迎えることで、良い1日のスタートを切ることもできるなど、静岡県は“暮らし”と“自然”が調和している場所でした。
職場の人も親しみやすく、先輩運転士たちは“実家のような存在”。仕事の話を親身になって聞いてくれることに加え、生活面も気にかけてくれる優しい人柄の先輩に囲まれ、運転する時は1人でも、顔を合わせると声をかけ合う温かさがあります。勤務後には一緒にご飯を食べに行ったり、休日に出かけたりできる同世代の仲間もいて、孤独感を感じることはありません。
運転には“プロの技”がある──バス運転士の奥深さ
“運転の延長”に見えるかもしれないバス運転士という仕事。しかし、その実態はまさに“技術職”でした。
「ブレーキを踏みすぎると効かなくなるので、箱根の山を下る時には排気ブレーキだけで降りるなど、知識と経験が要求される道も多くあります。伊豆半島の山道は、運転士のスキルを磨くのに適している場所です」
また倉澤さんは、揺らさない・音を出さない運転を意識し、寝過ごしてしまうくらいの快適さを目標にしているといいます。そしてそれは乗客の安心につながり、言葉として返ってくることもあります。
「路線バスでは地元の乗客の方にお礼を言ってもらえたり、高速バスでは『快適でした』『安心できました』と言ってもらえることがあり、心が温まります」
今後は路線バスや高速バスだけでなく貸切バスの運転にも挑戦したいという意欲も。社内では未経験でも安心して取り組める細やかな研修や、3年間の勤務で資格取得費用が全額免除になる大型二種免許取得支援制度など、充実したステップアップ制度で挑戦を支えてくれる風土があります。
静岡県を走る誇り──好きだった場所が働く舞台に
運転席から見えるのは、富士山と海が一望できる静岡県ならではの風景。
窓の外を流れる四季折々の景色が気分を晴れやかにし、毎日の仕事を特別なものにしてくれます。
「仕事をしながら観光しているような気分になります。また、元々好きで遊びに来ていた場所で働くのは新鮮味があって、自分が運転しているバスにアニメのファンの方が乗ると、まるで自分がアニメの世界の住人になっているような感覚になります。数年前は写真を撮る側だったのが、今は運転する側になっていることが誇らしく、嬉しいです」と倉澤さんは話します。
富士山がよく見える日には、お客さんにさりげなく観光案内をすることも。自分の一言で車内が盛り上がる。そんなやりとりがやりがいに繋がり、運転士という仕事をさらに豊かなものにしてくれます。
静岡県で叶える、自分に合った働き方
「バスの運転士は、運転が好きな人はもちろん、毎日毎秒状況が違うので、規律を守りつつ、臨機応変に対応できる人や、接客を丁寧にできる人におすすめの仕事です。人も気候もあたたかく、のびのびした場所で、運転士としての技術を磨きたい。そんな人にはぴったりの環境です」と語る倉澤さん。
最後に、静岡県で働くことを検討している人や迷っている人に向けてのメッセージを伺いました。
「転職は、特に県外からとなるとハードルが高いかもしれませんが、静岡県は他のところから来た人も優しく受け入れてくれます。自分の気持ちを大切に、勇気を出して踏み出してみたら、良い結果に繋がり、成長できるのではないかと思います。ぜひ挑戦してみてほしいです」
今後のキャリア展開と「聖地を運転したい」という想いが重なり、静岡県へのIターン就職を決めた倉澤さん。アニメがきっかけで何度も訪れていた街で、今では地域の交通を支える存在として働いています。
静岡県沼津市という土地は、観光地としての魅力はもちろん、“暮らしを大切にしながら自分らしく働ける場所”でもあります。自然豊かな景色と穏やかな時間の流れの中で、仕事に向き合える環境が広がっています。そして東海バスは、新しいことへ挑む意欲に対し、会社全体が温かく背中を押してくれる会社です。
やりたい仕事と自分の“好き”を掛け合わせ、人生を切り開いてきた倉澤さん。その姿は、好きなものを追いかけながらキャリアを築く、現代的な働き方の1つを体現しているのかもしれません。
【倉澤桜黄樹さん】
株式会社東海バス 沼津営業所 路線バス運転士
神奈川県出身。神奈川県のバス会社に就職した後、アニメをきっかけに沼津市にIターン就職。
【株式会社東海バス】
https://www.tokaibus.jp/
静岡県伊豆半島で100年以上、バス事業を営み、移動や観光を支えています。地域の暮らしを支えて、これからも伊豆とともに歩んでいきます。
・採用情報:https://www.tokaibus.jp/company/recruit.html












