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ふじのくにパスポート

静岡県で働く魅力

食品や医薬品を陰で支える。乾燥装置メーカーで活躍する若手技術者3人の挑戦

スーパーに並ぶ食品や、私たちが手にする医薬品。その製造を、見えないところで支えているのが乾燥装置です。静岡県吉田町にある「大川原製作所」は、そんな乾燥装置をグローバルに展開するメーカー。ものづくりの現場では、下反晶(しもぞり あきら)さん、浅野達哉(あさの たつや)さん、千葉太我(ちば たいが)さんの3人が、日々挑戦を続けています。

 

 

 

1927年に創業した株式会社大川原製作所。初代社長の大川原代治氏が、ここ静岡県吉田町神戸で、製茶用の乾燥機をつくり始めたのがきっかけでした。その歴史は約100年に及びます。

 

1956年に自動透気式乾燥機を開発すると、食品、農水産物、化学、医薬品へと活躍の場を拡大。現在は乾燥技術を核に、濃縮や造粒、殺菌など、さまざまな工程を担う装置を手がけています。

 

 

ただ、この会社の装置を街で見かけることはありません。納められる先は工場の中。

製造ラインの中核を担う、重要な工程にある装置です。

 

 

「普段は目にする機会が少ない機械ですが、私たちの生活を支える製品づくりに欠かせない役割を担っています」

 

そう話すのは、試験課の下反さんです。

 

 

 

なぜ、小さな試験機で事前に試すのでしょうか。

 

「大型化したときにどういう挙動を示すか、実際に運転しないと分からないことがあるんです。この材料は乾きやすいな、この風速だと流動するな、というのを見て」

 

扱う原料は食品から化学品までさまざま。最近印象に残っているのは、飼料の造粒試験でした。細かな粉を扱いやすい大きさの粒にする工程で、初めて扱う試験機だったそうです。

 

「7年目でも新しいことをやる機会が多いですね」

 

 

下反さんが後輩に伝えているのは、成功したことだけではありません。

「自分で失敗したことを、あえて後輩に伝えています」

同じことを繰り返してほしくないから。なるべく堅苦しくならないよう、気軽に話すそうです。

 

広島県出身の下反さんは、大学卒業と同時に静岡へ移り、入社7年目。試験課で、お客様から預かった原料を実際の試験機にかけ、温度や風量、処理量を変えながら最適な条件を探し、そのデータを設計担当へ渡します。

 

自分の仕事が社会につながっていると実感する瞬間もあります。以前、ある液体原料を濃縮する試験に関わり、その成果が形になったものを、旅行先の沖縄で偶然見つけました。

 

「スーパーやドラッグストアで自分が試験に携わった製品を見かけると、この製品づくりに自分も少し関わっているんだ、と感じられて、とても嬉しくなります」

 

 

石川県出身の浅野達哉さん(27)は入社4年目。いまは基本設計を担当していますが、最初の3年間は下反さんと同じ試験課にいました。

 

これは、入社前から本人が希望していたキャリアでした。

 

「最終面談のときに、『最初は試験課で3年くらい経験を積んで、その後は基本設計に行きたいです』と話していたんです。」

 

 

試験課は、社内で「若手社員の実力養成の場」と呼ばれているそう。小さな試験機を自分で動かしてきた経験が、いまの設計に生きています。

 

「実機は大きすぎて、何が重要なのか分からないことが多い。でも小さい機械で見ていれば、これがここの部分だと分かるので、全体のイメージがつきやすいんです」

 

 

基本設計では、お客様の要望を聞きながら仕様を詰め、図面を引き、部品を選んでいきます。知らないことが多く、その作業自体が勉強になるといいます。

 

基本設計に異動して最初に任されたのは、液体を殺菌する装置でした。試験課時代にも扱ったことがなく、参考になる過去のデータも少ない。さらに法規に関わる手続きもありました。

 

「知らないことが一気にあって、大変でしたね」

そう振り返る浅野さん。ただ、その経験があるからこそ、次の案件では迷いが減ったといいます。

 

 

浅野さんと同じく基本設計を担当するのが、北海道札幌市出身、入社3年目の千葉太我さんです。大学時代は千葉県で過ごし、企業側から学生へオファーを送る就職サイトで大川原製作所と出会いました。

 

「僕も浅野さんと同じように、まずは試験課で装置のことを学んでから設計をやりたいと思っていましたが、結果的には、入社1年目から設計に携わることになりました。」

 

専攻は化学系。先輩の案件を手伝いながら、一つひとつ仕事を身につけていきました。

 

「扱っている装置の種類も多く、覚えるのに苦労しました」

 

 

それでも1年ほど経つと、自分の案件を任されるように。今は装置のサイズや能力、工程の流れ、配置などを考えながら、社内の各部署やお客様、部品メーカー様とやりとりし、案件全体を進めています。

 

 

任される仕事の幅は広く、装置をお客様の工場へ納めた後は試運転にも立ち会います。多いときは月に1度ほど、全国各地の現場へ。直近では大きな案件の応援で島根県に11泊し、装置が立ち上がるまで現場を支えました。

 

 

この会社の装置は、原料やお客様の要望に合わせて一台ずつ仕立てるオーダーメイド寄りのつくり。千葉さんにとっては、そこが面白さでもあります。

 

「自分の考えや工夫がそのまま製品に反映されるので、責任もありますが、とてもやりがいがあります」

 

 

下反さん、浅野さん、千葉さん。役割は違いますが、3人の席は技術センター棟の同じフロアにあります。

 

 

3人に職場について聞くと、共通して出てきたのが「相談しやすさ」でした。

 

「困ったことがあれば気軽に相談できる方が多く、コミュニケーションが取りやすい職場です」(下反さん)

 

浅野さんも、先輩や上司に相談することで、一人では思いつかなかった考え方に出会えることに面白さを感じています。

 

「相談がすごくしやすいんです。みなさん優しくて、聞いたら手を止めて答えてくれる」

そう話す千葉さんにとって、その環境は入社1年目からの支えになりました。

社員食堂では月に1度のデザートの日があり、会長や社長も社員と同じように食事をしています。

 

 

3人にはもうひとつ、全員が静岡県外の出身という共通点があります。

 

「静岡の魅力は、自然と利便性のバランスがとても良いところだと思います」

そう語るのは、広島県出身の下反さん。現在は静岡駅周辺に暮らし、自然の豊かさと街の便利さ、その両方を身近に感じていると言います。

 

石川県出身の浅野さんは、大学と大学院も北陸で過ごしました。

「石川県は曇りが多くて、雪も降るし、雷が日本一多いんです。こっちはほとんど晴れているので、洗濯物を外に干せるのがいいですね。」

 

浅野さんが静岡を意識するようになったのは、静岡大学との共同研究で何度か訪れたことがきっかけでした。温暖な気候や、接する人たちの穏やかな雰囲気に惹かれ、ここで働くことを考えるようになったそうです。

 

北海道出身の千葉さんが魅力に感じているのは、静岡の人の穏やかさです。

「静岡の人々は全体的に穏やかで優しいと感じています。仕事でもプライベートでも人と関わりやすく、生活しやすいです。」

 

休日はそれぞれ、静岡での暮らしを満喫。下反さんは大井川や安倍川の河川敷、駿府城公園の周辺などをランニング。千葉さんはバレーボールの社会人サークルやジムに通い、浅野さんはサッカーを続けるなど、仕事を離れた時間も思い思いに過ごしています。

 

 

最後に、3人にこれから挑戦したいことを聞きました。

 

下反さんは、試験だけで終わらず、その先の工程まで関わりたいと考えています。

「試験業務だけでなく装置の設計にもさらに深く携わり、自分が関わった装置の導入に立ち会うなど、よりお客様や現場に近い仕事にも挑戦していきたいです。」

 

浅野さんの目標は、一つの案件を最初から最後までやり切ること。

「まずは最初から最後まで一通り案件をこなすこと。そして、安心して仕事を任せてもらえるようになることです。」

 

千葉さんは、「一人前のエンジニアになること」を目標にしています。

「仕事の幅が広いので、この会社で一人前になれば自信にもなります。」

 

それぞれの目標を語ってくれた3人。下反さんは、静岡で働くことについても、こんな想いを話してくれました。

 

「入社当時は、身寄りのない静岡で一人暮らしを始めることに不安もありました。でも実際に生活してみると、とても暮らしやすくて、職場の皆さんにも恵まれました。静岡で働くという決断をして、本当に良かったと感じています。」

 

 

今日どこかで誰かが口にする食品も、手に取る薬も、普段は見えない技術のうえに成り立っています。乾燥技術で、明日を潤す。3人の挑戦は、まだまだ続きます。

 

【株式会社大川原製作所】

・企業概要

大川原製作所は、静岡県榛原郡吉田町に本社を置く、乾燥装置メーカーです。

1927年に製茶用乾燥機の製造からスタートし、2027年に創業100周年を迎えます。

食品・化学・医薬・環境の分野において、乾燥をはじめ、濃縮、造粒、殺菌など、さまざまな工程を担う装置を開発・設計・製造しています。

お客様の原料やニーズに合わせた装置づくりを強みとし、国内外のものづくりを支えています。

 

・採用ページURL

https://www.okawara.co.jp/recruit/