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暮らしに馴染む「瓦」の魅力。 和モダンカフェ「gramme(グラム)」

現代の生活では馴染みの薄くなってしまった瓦。「瓦=昔のもの」というイメージがあるかもしれません。

そんな中、2023年3月に浜松市中区に誕生したモダンカフェ

「gramme(グラム)」では、「瓦の魅力と普遍的価値を伝える」をコンセプトにしたカフェメニューやワークショップを提供しています。

 

遠州鉄道 遠州病院前駅から北西方向に徒歩5分の場所に「gramme」はあります。

 

店名の「gramme」は、昔の日本では「瓦」という漢字で重さの単位の「g(グラム)」を表していたことに由来するそう。

お店のロゴをよく見てみると、カタカナの「グラム」が「瓦」の文字になっていますね。

 

ガラス張りのドアを開けると、店内には暖かな光が差し込んでいました。

右手側にカフェスペース、左手側にワークショップスペースが広がっています。こじんまりとしたカフェスペースにはカウンター席もあり、1人でもくつろげそうな雰囲気です。

 

入店すると、オーナーの柳本茉希さんが笑顔で迎え入れてくださいました。

 

長らく金融業界でお勤めだった柳本さんは、2019年から家業である屋根工事業に戻りました。

その時、昔は賑やかだった瓦業界に「元気がなくなってしまった」と感じたそう。

2020年から、空き物件の再生を目指す浜松市の取組「リノベーションスクール」に参加し、体験型カフェをオープン。

瓦産業の魅力を発信していこうと考えました。

 

「私は、伝統産業は形を変えながら暮らしに馴染んでいくものだと考えています。瓦は耐久性があるうえに、年月が経つと風合いが増す素材。瓦の変わらない価値をいまどきにアレンジして届けることで、瓦の新たな可能性を届けたいです。 “土”と‟水”と‟火”だけでつくる瓦の伝統的な製法そのものも、サステナブルなライフスタイルによく合うと思いませんか?」

 

そんな柳本さんの想いから、店内には、建築・ライフスタイルに関する書籍や、瓦を活用したインテリアが散りばめられています。

 

瓦でつくったアロマストーンやオブジェは、瓦の新しい価値を伝えてくれますね。

シンプルながらも深みのある色合いで、モダンな内装にも馴染んでいます。

 

カウンターの壁や土間には、瓦の廃材が混ぜられています。瓦には、余分な水分を外に逃がしてくれる機能があり、室内の温度が調整され、雨の日も快適な空間を作ってくれます。

こんなにたくさんの瓦の使い道があるなんて……!と驚かされます。

 

瓦への想いが詰まったカフェメニューを紹介します!

 

看板メニューは、「最中(もなか)ジェラート」(600円 税込)。

「gramme」でしか食べられないであろう、瓦をモチーフにした珍しいスイーツです。

 

柳本さんが「瓦の色とそっくり」と自負する黒い最中。その黒さの秘密は、生地に練り込まれた竹炭です。

サクッとした食感の最中と、ジェラートが舌の上でとろけます。そこに、上品な甘みのあんと季節のフルーツがあいまって、口の中で繊細なハーモニーを奏でます。

 

ジェラートの味は、ミルク、ほうじ茶、抹茶の3種類から選べます。

また、着色料や食品添加物を使用していないのもうれしいポイントです。ブレンドティーと一緒にいただけるセットメニューも展開しています。

 

※セット料金

最中セット:800円(税込)

最中ジェラートセット:1,000円(税込)

黒胡麻のチーズケーキセット         :1,000円(税込)

 

「gramme」に来たら味わってほしい一品が、「オリジナルブレンドティー」(500円 税込)。

瓦が作られてから自然に還るまでの時間の経過を、「土」「瓦」「花」という3種類のテーマで表現しているのだそうです。

 

今回は、実際の瓦づくりをモチーフに、松の葉でいぶした紅茶とほうじ茶を配合した「瓦」ブレンドをいただきました。スモーキーな香りが漂う、ちょっぴり大人な逸品です。

 

本物の瓦がお皿に乗っているかのようなこちらの品は、「黒胡麻のチーズケーキ」(600円 税込)です。

着色料は使わず、黒胡麻だけで瓦の黒さを表現しています。

クリームチーズとホワイトチョコを混ぜ合わせた、グルテンフリー(※)の一品で、酸味が少なく、まろやかな味わいが特徴です。

 

※グルテンフリー:小麦粉に含まれるタンパク質の一種「グルテン」を含まないこと。

 

重厚感のある食器は、浜松の陶芸家、井口淳(いぐち じゅん)さんが作陶した特注品です。伝統的な穴釜で焼き上げた食器と、現代的な電気窯で焼き上げた食器の両方をカフェメニューに使用することで、産業における「伝統と現代」の対比をお皿で表現しているそうです。

 

オリジナルブレンドティーやスイーツを味わいながら、食器独特の風合いをうっとりと確かめる……。わびさびの心を取り戻すような、情趣あふれるティータイムを楽しめます。

 

「gramme」では、予約制でランチ営業も行っています。

ランチはパスタランチとプレートランチのどちらかを選べます。

具体的なメニューは予約時にお客さんと相談して決めています。

旬の食材がふんだんに使われた、栄養たっぷりのランチをいただけます。

 

※ランチの予約は2営業日前までに連絡が必要です。

 

今回は、鶏肉ときのこのバター醤油ソテーがメインのプレートランチをいただきました。

おうちで食べるごはんのように、ほっとする味でした。

 

※ランチ 1,000円 (税込)

 

また、瓦の世界に触れられるワークショップも体験できます(予約制)。

職人さんが作った石膏に粘土を詰めて焼く、「鬼瓦の石膏型抜き体験」ができます。「自分で型抜きをすることで、鬼瓦に愛着が湧いた」と、親子を中心に好評です。

 

※体験料:1個 3,000円 (税込)

所要時間:60分程度

年齢制限:特になし(未就学児が体験する場合は保護者の付き添いが必要)

 

DMもしくはメールにて日程の相談を受付中(時期に制限なし)

ワークショップ申込はgramme公式サイト「問い合わせフォーム」から。

https://gramme-kawara.yanagimoto.co.jp/

 

「gramme」では、個性豊かなカフェメニューや、伝統とモダンが融合したインテリア、気軽で楽しいワークショップを通して、瓦産業を身近に感じることができます。心地よい空間で、体に優しいスイーツやランチをいただくという経験は、現代のライフスタイルを見つめ直すきっかけにもなりそうです。

 

今後も季節に合わせたメニューを展開していくという「gramme」。

ぜひ足を運んで、豊かな時間を過ごしてみませんか。

 

 

(施設情報)

gramme by 柳本産業

〒430‐0943 静岡県浜松市中区北田町130‐2

公式サイト:https://gramme-kawara.yanagimoto.co.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/gramme_kawara/

※ランチ、ワークショップは完全予約制です。公式サイトでのお問い合わせをお願いします

※ランチの予約は2営業日前までに連絡が必要です。

※ワークショップはDMもしくはメールにて日程の相談を受付中(時期に制限なし)

申込はgramme公式サイト「問い合わせフォーム」から。

 

定休日:日曜日、月曜日、火曜日

※臨時休業等の予定はInstagram、Webサイトにて告知

 

営業時間:10:00~16:00

 

カフェ席数:12席

駐車場:近隣の有料駐車場をご利用ください