地元の空を支える、憧れを仕事に変えたランプハンドリングスタッフの挑戦
静岡市出身の石上大夢(いしがみ ひろむ)さんは、現在、富士山静岡空港で航空機の地上支援業務に携わるランプハンドリングスタッフとして活躍しています。子どものころから乗り物が好きだった石上さんは、吉田町にある祖父の家の上空を飛ぶ飛行機に魅了されていました。10歳の頃に富士山静岡空港ができたと知ると、「行きたい!」とお父さんにお願いし、毎週のように空港へ足を運んでいたといいます。「飛行機の周りで働く人が格好良いと思っていた」と語る石上さん。あのときの憧れをそのまま仕事に変えました。
▲当時のように滑走路を眺める石上さん
【幅広い業務を経験できることが魅力】
静岡県内の専門学校卒業後は成田空港で4年間勤務。業務が細かく分業されていた成田空港で、石上さんは主に手荷物の搭降載を担当していました。「成田空港はスケールが大きく、色々な航空会社に携われるのが魅力で、空港内の移動も、覚えることも多くて大変でしたが、その分経験を積むことができました。」と振り返ります。
▲機内のパイロットと無線でコミュニケーションをとる石上さん
その後、結婚を機に地元である静岡県へのUターンを決断。成田空港で培った経験を活かし、思い出の富士山静岡空港に転職しました。ここでは、分業型の大きな空港とは違い、貨物やオペレーションを除けばほとんどの業務に携わることができます。さらに資格取得を通じてさまざまなポジションを経験できるのが魅力です。この日の取材中だけで、一人あたりの業務内容は、情報共有(ブリーフィング)、駐機エリアの安全確認、航空機の誘導(マーシャリング)、手荷物の搭降載、パイロットとの無線によるコミュニケーションなど多岐にわたっていました。石上さんは、他にも意外な業務を紹介してくれました。「機体の掃除も行うことがあります。スタッフみんなで力を合わせて、スポンジで手洗いするんですよ。」
現在石上さんが取得していない資格はあと一つになり、日々さらなるスキルアップに励んでいます。
【ありがとうをもらえる瞬間が嬉しい】
業務の中で一番楽しいのは、やはり飛行機周りの仕事。「出発準備を終えて、最後に飛行機をお見送りするとき、お客様に手を振り返してもらえる瞬間が何よりのやりがいです」。直接「ありがとう」と言われることは少ない仕事ですが、あの一瞬で、頑張ってよかったと実感できると語ります。
【チームワークが輝く温かい職場】
取材を通じて特に魅力的に感じたのは、職場の雰囲気の良さです。控室では社員同士が和やかに談笑する姿が印象的でした。しかし一歩現場に出ると、その空気はがらりと変わります。それぞれが自分の業務に集中しつつも、周囲としっかり連携を取りながら、スムーズに作業が進んでいく姿が見られました。普段の仲の良さと、各々が真剣に仕事に向き合う姿勢。その絶妙なバランスが素晴らしいチームワークを生み、日々のフライトを確実に支えていると感じました。
【職場にも通ずる静岡県の魅力】
地元静岡県に帰ってきた石上さんに、静岡県での暮らしの良さを聞きました。「一年を通して暖かくて冬も寒すぎない。空気もきれいで人も優しい」と、気候や人柄、暮らしやすさを実感。交通アクセスにも恵まれており、名古屋や東京にも行きやすい点も気に入っているといいます。取材をする中で、ここエスエーエスはまさに、静岡県の気候や美しい富士山、そして人の温かさを実感できる環境だと感じました。
最後に、どんな人にこの仕事を勧めたいか尋ねると、「元気で明るく、やる気のある人ですね。専門性がなくても大丈夫、教育制度がしっかりしているのでやる気があれば成長できる環境です!」と話してくれました。
【石上大夢さん】
株式会社エスエーエス (富士山静岡空港事業所ランプ課)
静岡市出身。静岡県内の専門学校を卒業後、成田空港で勤務。結婚を機に島田市にUターン就職。
【株式会社エスエーエス】
・全国13拠点で空港支援を行うエスエーエスでは、旅客・貨物・給油など多様な業務に挑戦できます。
段階的にスキルを広げ、自分の強みを見つけながら成長していける環境です。