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伊豆にもお遍路があるんです!伊豆88遍路の旅のすすめ

 

順路に従い、仏寺などの霊場を参詣して回る「お遍路」。有名なのは四国八十八ヵ所の巡礼ですが、実は、伊豆にもお遍路があるって知っていましたか?知られざる伊豆八十八ヵ所霊場の歴史や、伊豆お遍路ならではの楽しみ方について、伊豆霊場振興会・4代目会長の遠藤貴光さんに伺いました。

 

 

173年前にさかのぼる、伊豆88遍路の歴史

 

伊豆の13市町村にまたがる、壮大な伊豆八十八ヵ所霊場。伊豆の中心である天城から始まり、三島に北上し、熱海に抜け、右回りで伊豆半島を一周するのが、「伊豆88遍路」です。

総行程は444キロ。最後の八十八番札所(結願寺)は、全国的にも有名な「修禅寺」がおもてなしをします。

 

温泉や旅館、食事処が充実したお遍路として、昨今人気を集めている「伊豆88遍路」。そもそも、いつから霊場はあるのでしょうか。

「伊豆八十八ヶ所霊場の歴史は長く、確認できたもっとも古いもので173年前までさかのぼります。弘法大師ゆかりの地・二十一番札所龍澤寺には『伊豆八十八ヶ所参拝』と彫られている石碑があり、これが173年前のものなのです。昭和のはじめに一度は消えかけましたが、昭和40年代に明治時代の納経帳が見つかったことで復興が始まりました。明治時代の木版や石碑なども見つかり、昭和50年に伊豆観光霊跡振興会(伊豆霊場振興会)を発足。『伊豆88ヶ所霊場めぐり』の本を発行するなど、認知を広めるために少しずつ活動を重ねてきました」

全国の八十八ヶ所霊場(弘法大師霊場)の中には、昭和や平成にできた霊場も多くあります。江戸時代からある伊豆のお遍路は、長い歴史を誇るといえるでしょう。

 

 

温泉で身体を癒し、お遍路で心を癒す。伊豆ならではの楽しみ方を堪能

 

総距離が444キロの「伊豆88遍路」。4が合わさったことで「しあわせお遍路」とも呼ばれています。自家用車はもちろん、路線バスでの旅、ゆっくりと歩いて参拝するなど、それぞれの楽しみ方ができます。

 

お遍路もおすすめ。伊豆は、熱海温泉や伊東温泉を抱える日本屈指の温泉地です。民宿や旅館などの宿泊施設も多く、疲れた身体を温泉でほぐし、お遍路で心を整える。そんな、伊豆にしかない癒しが、皆さまをお待ちしています」

 

まだまだ知名度の低い「伊豆88遍路」だからこそ、素朴な出会いやおもてなしがあるのも、魅力の一つだそう。

「霊場として充実したサービスがないところも多いのですが、ときにはご住職自ら、お遍路さんを御招きし、本堂にご案内されることもあります。そんな、霊場でのあたたかいおもてなしは、伊豆88遍路ならでは。人との出会いを大切にしようと心癒されるはずです」

 

お遍路で大切なのは、ご本尊の前で手を合わせ「大切な人の幸せを願う」こと。数珠の持ち方や、お経などはゆっくり覚えていけばいいので、まずはじっくりと幸せを願うことを大事にしてほしいといいます。

 

「100人のお遍路さんがいれば、100通りの楽しみ方があると思います。皆様、忙しい日々をお過ごしだと思いますが、少し日常を離れ、ゆっくりと心を癒し、そして体を癒し、他人の幸福を願うことで、ご自身の幸福も感じていただきたいですね」