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おでかけ お茶 のんびり旅 前編 金谷

ディープなお茶の世界に心弾む! 「金谷」を堪能するのんびり旅【前編】

茶畑面積日本一の静岡県!その中でも広大なスケールの牧之原大茶園を有する、島田市「金谷」には、お茶の歴史や文化を楽しく学べるスポットが盛りだくさん。

 

ノスタルジックな観光地としても見どころがいっぱいです。

 

今回お送りするのは、そんな風情ある「金谷」をのんびり楽しむ6時間のモデルコース。前編は、石畳の道を歩きながら昔の旅人気分を味わい、山あいの和カフェで「おばんざい定食」をいただきます。

 

リフレッシュとワクワクを兼ねた、週末のプチ旅行にぜひ!オススメです。

 

かつては、東海道の宿場町(金谷宿)として大いに賑わいました。昔の旅人にとっては、東西の山や川の難所に挟まれた厳しい道のりだったのを、ご存知でしょうか?

 

石畳の道を踏みしめながら歩き、開けた先に見える大きな富士山に感動!そんな昔の旅人気分に浸れるのが、ここ「旧東海道金谷坂石畳」です。

 

場所は、JR金谷駅から車で約2分(徒歩で約10分)。富士山静岡空港からだと車で約15分。元々「旧東海道金谷坂石畳」は、JR金谷駅の南側からずっと続いていましたが、一部は生活道路になっているため、「石畳上り口」から峠までの約400mが、現在残っている石畳の道です。

 

石畳上り口近くの駐車場に車を置き、少し歩くと見えてくる「石畳上り口」の看板がハイキングのスタート地点。いざ、歴史ロマンたっぷりの旅へ出発!

 

ここから先は400mちょっと。体力に自信がない人も、軽い気持ちで登れます。

 

木漏れ日の中、野鳥の声に癒やされながら、石畳を踏みしめます。マイナスイオンがたっぷりで、気持ちの良い森歩き!

 

よく足元を見ると、あれっ?

 

同じ東海道でも「箱根越え」で有名な箱根の石畳は、平たい形状。でも、ここはこんもりと丸い!……そう、この石の形は「金谷坂石畳」の特徴です。

 

石畳で使われている石は、およそ10万年前、太古の地殻変動によって、大井川の河床が隆起したときの河原石。丸いのは、大井川の流れで石が削られたからなんです。

 

そもそもこの石畳は、江戸時代終わり頃に皇女和宮の降嫁(文久2年)や14代将軍徳川家茂の上洛(文久3年)などの大通行があった際に箱根旧街道の道普請など大改修が行われた事例から、その時に敷設されたと考えられます。

 

ただ、今見えている石畳は、ほとんどが復元したもの。平成3年に町おこしの気運が高まり、昔のままの姿の石畳が忠実に復元されました。

 

長い間土の中に埋まっていたため、表面がザラザラですべりにくいのが特長です。この「すべらない」石畳にちなんで、石畳の中腹には「すべらず地蔵尊」の祠(ほこら)があります。

 

祠をのぞくと、中には、手と手を合わせている珍しい2体のお地蔵さまが祀られています。このお地蔵さまには、受験や商売繁盛など、「何事にもすべらず転ばず着実に」という祈願ができるのだとか。なんとも、ありがたい!

 

ということで、早速、筆者もお願いしてみました。

 

「すべらない記事が書けますように……」

 

山あいに響く野鳥の声に、のんびり耳を傾けながら、森の中を前へ前へ進むと、変わった形のクスノキを発見!

 

この木は、朽ち果てた親木を取り囲むように若い子どもの木がどんどん成長していることから、「五つ子楠(いつつごくす)」と呼ばれています。

 

今もなお、旅人の無事を見守るように成長し続けているかと思うと、強いパワーを感じます。

 

峠まであと30mの距離になると、体もぽかぽかに。実はここから先は、復元ではなく、江戸時代後期の石畳がリアルに残っている道なんです。

 

歴史を踏みしめながら、1歩1歩前に。足の裏から感動がダイレクトに伝わり、楽しい!

 

石畳を登り切ると、そこはお茶畑が広がる牧之原台地。開放感たっぷりの景色と、お茶の香りに癒やされます。

 

江戸時代の文献に「道中一の景勝なり」と記されているとおり、昔からこの場所は“絶景スポット”として多くの人が絶景を堪能していました。

 

視界の先に広がるのは、金谷の町並み、旧国道1号線の大井川の鉄橋、国道のバイパス、さらに新東名高速道路まで。お天気が良い日には、富士山はもとより、南アルプスや伊豆半島も眺められます。

 

旅人気分で絶景を味わえて、疲れた体がグーンと楽に。元気も満タンです!

 

さて、お待ちかねのランチタイム。お茶畑を通り抜けて、車で10分の和カフェ「すわはら」へやってきました。(カフェ駐車場完備)

 

こちらは、古民家風の一軒家をリノベーションしたお店。8年前にオープンしました。

 

営業日は、木曜から日曜までの週4日間。ホームページがなく、特に宣伝をしていないにも関わらず、「心地よくておいしい時間」が評判を呼び、地元のリピーターはもちろん、遠方からもたくさんのお客さんが訪れます。

 

中は「非日常を満喫してもらえたら」という、店主木村さんのやさしさが詰まった空間。

 

入口には茶香炉が置かれ、自然なお茶の香りに癒されます。さらに、お茶文化とともに育まれてきた渋い風合いの焼き物「志戸呂焼」の作品もあちこちに。

 

心地よいものに囲まれて、ついつい長居したくなります。

 

※志戸呂焼とは

渋みがあり深みがある古式豊かな風情を漂わせているのが特徴の工芸品。

昔、大井川の西金谷の宿一帯が志戸呂郷と呼ばれており、そこで作られた焼き物であったことから、その地名をとって、「志戸呂焼」と名付けられた。

(静岡県郷土工芸品振興会ホームページより抜粋)

 

「すわはら」のとっておきの場所といえば、畳敷きの縁側。

 

日向ぼっこをしながら、お庭の美しい風景を眺めることができます。

 

看板ランチは、9種類のおかずにご飯とお味噌汁、ミニデザートがつく、数量限定の「おばんざい定食」(1320円 税込み)。

 

手作りにこだわり、タレやドレッシングもすべて自家製。「すわはら」のお料理からは、1品1品丁寧に作られていることが“ひと目で”伝わってきます。

 

たとえば、お味噌汁に隠し味でトマトを入れたり、生ハムでお豆腐を巻いて春巻きにしたり。おいしくてヘルシーで、作り手のアイデアが随所に光ります。

 

スイーツの、「クリームあんみつ」(660円 税込み)もおすすめです。白玉、あんこ、寒天。主要な具材は、すべて手間ひまかけた手作り。どれも丁寧な味がして、ほおばるごとに心が和みます。

 

食事の後は、庭に立ち寄ってみてください。緑いっぱいの空間に身を置けるのです。しだれ桜の木もありますので、桜のシーズンには桜を眺めながらお食事もできます。

 

前半は旅人気分で石畳の道や和カフェを楽しんできました。後半はお茶のテーマパークで、お茶についての知識をぐっと深めるさまざまな体験をご紹介します。お楽しみに!

 

 

(施設情報)

和カフェ すわはら

〒428-0037 静岡県島田市菊川1190

TEL 0547-46-5108