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静岡県のおでかけ情報

おでかけ グルメ リニューアル 工芸体験 静岡

国内最大級!ふらっと気軽に工芸体験「駿府の工房 匠宿」

静岡駅から車でわずか約20分。東海道五十三次の宿場町・丸子にある「匠宿」は、静岡のさまざまな伝統工芸に触れ、工芸体験もできる魅力的なおでかけスポット。

1999年に開館して以降、親子で遊べるおでかけスポットとして人気を集めてきましたが、2021年5月、オープン以来初めての大幅リニューアル。

限定はちみつスイーツが味わえるカフェも併設され、おしゃれな癒し空間へ生まれ変わりました。

工芸体験は、いずれもカンタン・お手軽・気分上がる!そんな一石三鳥のラインアップ。

予約なしで手ぶらで来て、体験できるのも魅力の一つです。

 

ところで、伝統工芸と聞くと、高いイメージがありませんか?

「匠宿」が嬉しいのは、お財布に優しいこと!入場料無料、駐車料金も無料です。さらに体験料もお手頃価格なので、家族みんなで楽しめる良心的なスポットです。

赤色の「駿河凧(するがだこ)」を見つけたら、そこが入口。

それでは、さっそく中に入ってみましょう!

 

入ってすぐ、目に飛び込んできたのは、お花のような美しい照明。

これは、「駿河竹千筋細工(するがたけせんすじざいく)」の技法を用いて作られた、照明作家・谷俊幸さんの作品です。竹ひご1本1本から漏れ出る光が幻想的で、思わず見とれてしまいます。

さらに、格子模様のロゴマーク(写真左側)にも注目してください。よーく見ると、実は上半分が「未来」、下半分が「未来」を反転した文字になっています。

このロゴマークには、施設のコンセプト「歴史と未来を結ぶ場所」の意味が込められています。施設がある丸子は、東海道五十三次の20番目の宿場町でした。歴史的背景の豊かな場所だからこその粋なデザインです。

 

竹ひご:竹の茎を細かく割ってつくられた細い棒

 

他にもエントランスには、静岡県に古来から伝わる「駿河蒔絵(まきえ)」や「賤機(しずはた)焼」、「藍染(あいぞめ)」などが飾られ、伝統的かつモダンな空間となっています。

 

エントランスを抜けると、風がそよぐ開放的な中庭があります。

ここに置かれるユニークなオブジェは、まちづくりコンサルタントである北山孝雄さんのパブリック・アート作品。

「ミスネッシー」という名前がついていて、幸せになることを願って現れるのだとか。

 

またテーブルや椅子もあり、よく晴れた日は、遠くの山並みを見渡すことができる癒しの空間となっています。

やさしく吹き抜けていく自然の風を感じながら、テラス席に座ってのんびりと過ごす時間は、心地の良いひとときです。

 

心がほぐれたところで、工房体験へ!

館内には4つの工房があり、工芸品にちなんで「竹と染」・「火と土」・「木と漆」・「星と森」と名付けられています。

各工房には、経験豊富な職人さんがいたり、伝統を絶やさないように若いお弟子さんが修行をしています。

子どもたちも楽しそうに体験をしていて、和気あいあいとした空気が流れています。

 

体験は公式サイト内の予約フォームから事前予約が可能ですが、当日ふらっと来てもOKです。

最初に訪れたのは、「竹と染」の工房。

ここでは、江戸時代・徳川藩の時代から続く「駿河竹千筋細工(するがたけせんすじざいく)」の体験を行います。職人さんが常駐しており、熟練の技を間近で楽しめます。

この日、担当してくれたのは、祖父が宮大工※という職人歴10年の大古田雅斗さん。

「難しそうに見えますが、小学生のお子さんも気軽にできるので、大丈夫ですよ」とにっこり。

職人さんといえば、厳しくて怖い人。というイメージを持っていませんか?

「匠宿」の職人さんは、大古田さんをはじめ、みなさんフランクで、いつもにこやかな笑顔で接してくれるので、安心です。

 

宮大工:神社・仏閣などの建築を専門にする大工

 

数あるメニューの中から選んだのは、丸いフォルムが可愛らしい「ペン立て こはる」。

体験料金は2,000円(税込)、体験時間はおよそ30分です。

作り方は、いたってシンプル!パーツが揃ったキットを使って、44本の細い棒のような「竹ひご」を、穴が開いたパーツに差していくだけです。

途中で間違えても、すぐに差し直せるのが嬉しいポイント。小さいことは気にせず、コツコツと作業を繰り返して、最後に竹ひごの根元にボンドを塗れば完成です。出来上がった作品はすぐに持ち帰れるので、お土産としてもおすすめです。

このペン立ては、小さい花瓶を入れて花を飾ったり、逆さまにして、LEDのライトを入れればランタン風にもなる優れもの。様々なシーンで重宝してくれそうです!

 

静岡といえば、やっぱりお茶!

「竹と染」の工房では、お茶染め体験を行っています。

お茶染めとは、染物店の五代目・鷲巣恭一郎さんが生み出した、草木染めの一種。伝統的な「駿河和染」と静岡県産のお茶をかけあわせてつくる、茶処・静岡ならではの技術です。

鷲巣さんは、優しくて頼りになる染物のエキスパートです。

「お茶染めに特化した職人は、ぼくひとり。未完成な分野だけに、日々悩ましくもありますが、伸びしろがあるので楽しいです。」と鷲巣さん。

ちなみに、お茶染めは緑色ではありません。染める行程でお茶と一緒に鉄を入れるため、色はチャコールグレーになります。作品は、どれもモダンでかっこいい出来栄えです!

男女問わずファンが多いのも納得です。

 

ここで使う茶葉は、飲むお茶ではありません。

製造の過程で出た、いわゆる商品にならない“お茶のカケラ”たち。

サスティナブルがキーワードになる現代で、お茶染めはSDGsな伝統工芸といえます。

 

それでは、お茶染めにチャンレンジしてみましょう!

型染めの中でも、染めた後から色を抜く「抜染(ばっせん)」という技法で、オリジナル柄のミニトートバックを作っていきます。

体験料金は3000円(税込)、体験時間はおよそ20分。

柄はサンプルの中から選んでもよし。自分で一から考えてもよし。自分好みの柄で型染めを楽しめます。※オリジナル型の製作はオプションで500円(税込)

さて、ここでの体験もいたって簡単。参加者は自分が選んだ柄をバッグの上に固定して、鷲巣さんのアドバイスにしたがって慎重にノリをぬります。これで体験はいったん完了。

ノリが乾いた後は、鷲巣さんがバッグを蒸し器に入れて熱をかけ、仕上げまでしてくれます。

自宅に完成品が届くのは、およそ1週間後。届くまでの間、ワクワクした毎日が過ごせそうです。

 

さらに「竹と染」の工房には、“北欧好きさん”必見のコーナーがあります。

それが、世界中にファンがいるファッションブランド「ミナ ペルホネン」の特別な染め物体験です。

この体験は、ミナ ペルホネンデザイナー・皆川明さんが、「匠宿」のためだけに描き下ろした4つの図案を使って染めていくという内容。

好きな色をつけて、オンリーワンの「ミナ ペルホネン」アイテムが作れます。

※こちらは事前予約が必要です。

 

次に訪れたのは、「ギャラリーTetoTeto」です。

ここでは、体験しなくても、センスのいいお土産を手に入れることができます。

店名の「TetoTeto(てとてと)」は、「つくりての“手”からお客さんの“手”へ橋渡しをする」という意味の造語。

店内では、静岡県内の伝統工芸品をベースに、各工房長の作品を展示販売。

職人さん渾身の作品が揃っています。

 

気になるものがあれば、スタッフに質問してみましょう。

つくり手のエピソードも聞けて、より親しみの持てるものが選べるはずです。

 

こちらは、静岡の隠れた名品。

「賤機(しずはた)焼」のうつわ「鬼福(写真中央)」は、「鬼は外、福は内~!」の言葉どおり、表には“お多福”が描かれ、裏には“鬼”が刻まれています。

普通のうつわは両面同じですが、「鬼福」は裏側も愉しめるリバーシブル。魔除け・招福など、縁起の良い言い伝えもあります。

 

さて、ものづくりに没頭したら、お腹が空いてきました。

そんな時は、「カフェ HACHI & MITSU(ハチアンドミツ)」で、ほっとひと息つきましょう。

こちらは、リニューアル後にオープンしたカフェで、店内は明るく、木のぬくもりを感じられる空間。

注文カウンターには、お茶染めののれんや駿河竹千筋細工(するがたけせんすじざいく)の照明など、伝統工芸品がふんだんに使用されています。

「ミスネッシー」のイラスト(写真右奥)も可愛らしくて、足を踏み入れた瞬間から胸がおどります。

 

「ようこそ!」と出迎えてくれたのは、明るくほがらかな笑顔がステキな、店長の冨岡健士さん。

静岡を知り尽くす店長なので、メニューの開発にも手を抜きません。

丸子で人気の「村本養蜂場」のはちみつや、厳選した静岡産の食材を使ったこだわりのメニューは、観光客だけでなく、地元の人にも大人気です。

 

ランチのおすすめは、「富士山サーモンと季節野菜の温テリーヌ」パンorライス付き(1,600円 税込)。

春巻きで包んだ皮の中には、脂スッキリ&味が濃く甘みを感じられる「富士山サーモン」と旬の野菜の旨味がギュッと詰まっています!

ボリューム満点ですが、野菜たっぷりなので、健康にも良いメニューです。

気品あるソースも添えられ、ビジュアルの美しさと食材の旨味を活かした味わいに大満足です。

 

スイーツのおすすめは、こちら!

静岡で人気のチーズケーキ専門店「すずとら菓子工房」とコラボした限定スイーツ「はちみつチーズケーキ」(650円 税込)です。

まず、ハチの巣のような可愛らしい見た目に、高揚感が高まります

チーズケーキは、ふわふわ&しっとりなめらかな口あたり。

はちみつの上品な甘さが際立って清涼感があり、クドさは一切ありません。

持っていたフォークが止まらず、ペロリと平らげてしまいました。

 

こちらは、「はちみつレモンスカッシュ」(500円 税込)。

村本養蜂場のはちみつとレモンシロップを混ぜて作った、シュワっとさわやかなオリジナルドリンクです。

はちみつの“良質な素材感”を味わえる贅沢な一杯です。

 

洋スイーツをご紹介してきましたが、和菓子が好きな人は「匠宿」の裏側へ回ってみましょう。

「蓬(よもぎ)きんつば ときや」は、地元に愛された和菓子店「吾作」の味を引き継ぐ、きんつばのお店。

平たくて丸い形の「きんつば」は昔ながらの製法で、ひとつひとつ丹精込めて焼き上げています。

使用するよもぎは「生」だけを使用。ひとくち食べれば、フレッシュなよもぎの香りがふわっと鼻を抜けていきます。

 

最後にご紹介するのは、隠れたインスタ映えスポット「匠宿伝統工芸館」。

ここには、フォトジェニックな「駿河羽子板(はごいた)」の道があるんです…!

この羽子板は、歌川広重の描いた浮世絵「東海道五十三次」を縦長に再構築して、蒔絵で当時の職人たちが精魂込め作り上げたもの。描かれているのは、日本橋をスタートして、京都にゴールするまでの東海道の旅路です。

羽子板がずらっと並ぶ光景は、まさに圧巻。

無料で楽しめるので、お散歩がてら足を運んでみてください。

 

 

まだまだ進化中の「匠宿」。

今後は、敷地内で醸造するクラフトビールが飲めるお店も本格オープンする予定。時間を忘れてものづくりに没頭し、おいしいものをほおばって、クラフトビールで喉を潤す。そんな幸せな休日が過ごせる日も、そう遠くはなさそうです!

 

※未成年の方の飲酒は、法律で禁じられています。ご注意ください。

 

(施設情報)

駿府の工房 匠宿

〒421-0103 静岡県静岡市駿河区丸子3240-1

TEL:054-256-1521

開館 10:00~19:00(月曜定休日)

公式サイト:https://takumishuku.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/sunpu_takumishuku/